ブルックナーとタンホイザーと幸運な私


今日は、久々に音楽ネタです。

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松江に引っ越してきてからまだ仕事が来ません。
今日は妻が市内在住の小中学校時代の同級生とランチに出かけました。
で、仕事なしで一人家に残された私は、リビングに設置した再生機器で
久々にブルックナーの交響曲第三番を、前半の二楽章だけですが、鳴らしました。
演奏はインバル指揮のフランクフルト放送交響楽団。
第一稿によるものです。
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この第一稿の一番の聴きどころは、第二楽章のある部分。
この曲の通常演奏される版に慣れていて、なおかつ、
ワーグナーの『タンホイザー』中の旋律が耳に馴染んでいる方が
このCDを聴いてその部分に至ると、
胸が高鳴る気分を味わえる可能性がかなりあると私は思います。

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数年前にクラシック音楽好きの友人に、このCDを貸したことがあります。
どの旋律かを言ってしまうと感激が鈍ることが予想されるので、
第二楽章にワーグナーの有名な旋律が登場するとだけ言って渡しました。
ところが、どれがその旋律なのかよくわからず、当然ながら、
私が味わったような興奮を味わうことはできなかったとのこと。

その人は『タンホイザー』のその旋律に馴染みがなかったのでした……。
私としては申し訳なく感じました。

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クラシック音楽好きといっても、それぞれに好みがあります。
その人はワーグナーもオペラも聴かない人なのでした。
実を言えば、私もそうです。

私はワーグナーを聴きませんし、オペラもモーツァルト、
しかも『魔笛』『フィガロの結婚』以外は聴きません。

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なのに私は、数十年前に第三交響曲第一稿のその部分を初めて聴いた時、
めったにないような興奮を味わったし、今日も実に気持ちがよかった。
ワーグナーを聴かない私がなぜ……?

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少し考えたら、すぐにわかりました。
いつだったかはっきりしないのですが、
そのCDを初めて聴く何年も前のあるとき、
NHKFMで『タンホイザー』をやっていました。
指揮はバレンボイム。

声が入るメインの部分を聴く気はないのですが、
序曲ぐらいは流しておくかということで、そのままにしていたら、
これが実によかった。

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気持ちが煽られ、ワクワクしてきて聴き入りました。
これぞ「序曲」、本編への期待を十二分に刺激する音楽になっていました。
もっとも、私はそのあとの本編の方からは早々に撤退しましたが。

タンホイザー序曲、なんと素晴らしい曲だろう。
その時そう思い、また聴きたくなり、
名盤紹介本の類いで知ったワーグナーの序曲・前奏曲集のCDを買いました。
後にも先に私が買った唯一のワーグナーのCDです。
もう手もとになく、記憶が怪しいですが、たぶん
テンシュテット指揮ベルリンフィルによるものだったはず。

これは全然つまらなかった。

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重厚に美しく端正に演奏されているだけで、私の胸に響くものは何もなかった。
バレンボイムの演奏は、ライブでかつ全曲演奏だったからでしょうか、
即興的といっていいような実にノリのいい音楽になっていて、
まさに「序曲」とはこういうものだと思わせるものでした。
比べるのは酷とは思いつつ、その差はあまりに大きかった。
何度か聴き直しても、同じでした。当たり前ですが。

そんなこんなで、ワーグナーのあの旋律だけは私の耳に残っていて、
おかげで私はブルックナーの仕掛けに酔うことができたし、
たぶんこれからもできると思います。

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音楽の神様がもしおられるなら、
この幸運を心から感謝します。


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by chronoir2023 | 2025-02-27 19:30 | クラシック音楽 | Comments(0)

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