ビルスマの「ジーバー事件」
2024年 11月 10日
昨日ズルをして以前にアップした記事を編集して再アップしたのですが、
今日になってそれには続きのようなものがあったことに気づきました。
なので、その記事をまた再編集して再アップすることにしました。
ビルスマの「ジーバー事件」
昨日、ビルスマのことを書いたのですが、
30年近く前、ビルスマのバッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会に
行った時のことを思い出しました。
二夜かけて武蔵野市民文化会館小ホールで行われました。
ビルスマは自然体としか言いようがないような様子で現れて、
これまた自然体とでも言うしかないような感じで演奏しました。
音楽のすばらしさがじわじわと伝わってきました。
緩んで低くなった弦を、演奏を続けながら、
左手で巻いて調整したのを覚えています。
二日目、全曲演奏を終えた後、
何か一曲だけ演奏しますが、ご希望の曲がある方はいませんか、
あまり長くないのがいいですけどね、
というようなことをビルスマは英語で言いました。
静まりかえった客席をビルスマが見回していると、
一人の男性が声を上げました。
私には「ジーバー」と聞えました。
ビルスマが聞き返すと、相手は同じ言葉を繰り返します。
やはり、「ジーバー」。
ビルスマは困惑顔で首を振ったのち、
それじゃあ私が好きな曲にしましょうと言って、弾き始めました。
第三番のジーグだったように思うのですが、記憶がはっきりしません。
ビルスマが最後の最後まで何の飾り気もなく、
そのまんまのおじさんだったという記憶ははっきりとあるのですが……。
ところで、「ジーバー」とは何だったのでしょうか。
思うに、男性は「G線上のアリア」のつもりだったのでしょう。
「上のアリア」をどういうかは推測できなかったものの、
「G線」は「G bar」だと推測したのでしょう。
「G線上のアリア」はチェロ用の曲ではありません。
編曲版をチェロで弾くことはあるでしょうが、
無伴奏で、ということがあるでしょうか?
また、「G線」は「G string」であって「G bar」ではなく、
しかも、「bar」は音楽用語としては小節を意味しますから、
推測は二重に外れていて、ビルスマには通じませんでした。
もし通じていたら、どうだったか。
通じなくてかえってよかったのかもしれません。
by chronoir2023
| 2024-11-10 21:05
| クラシック音楽
|
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