『美しき水車小屋の娘』讃


CDの棚を整理していて久しぶりに Olle Persson(バリトン)による
シューベルトの『Die schöne Müllerin』を手に取りました。
そして、かけてみました。

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うーん、なかなかいい!

かつてこの歌曲集『美しき水車小屋の娘』が大好きでした。
中学生の時に何のきっかけでだったか思い出せないのですが、
ペーター・シュライヤーのワルタ-・オルベルツの伴奏によるレコードを買いました。
すぐに好きになり、針を落とすと、たいていA面全部を聴いてしまうのでした。
B面は、なぜか音の響きが悪く、声が不自然に聞え、A面ほどは楽しめませんでした。

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大人になって、お金がある程度自由になると、
有名無名の歌手によるレコード、CDを輸入盤を中心に何枚も買いましたが。
満足のいくものは限られました。

CDも本も、もう手に取ることはないだろうと判断したものは、
数年前までに断続的に売るか捨てるかしてしまい、
『水車小屋』のCDもずいぶん手放したつもりでいたのですが、
今日確かめてみたら、まだ10枚も残っていました。
ついでにレコードも確かめたら、前述のシュライヤーを入れて3枚ありました。

ですが、今でもときたま聴くのは、CD2枚に限られます。
ほかも悪くないと思っているからこそ手放していないはずなのですが、
結局、もう聴くことはないままになるかもしれません。

さて、その2枚とは、前述の Persson(バリトン)盤と Hein Meens(テノール)盤です。

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Meens盤は、インマゼールがフォルテピアノで伴奏しています。
Meensのいいところは、声を張り上げないことです。
フォルテになっても、張り上げる感じがありません。
それでいて、ちゃんと強弱はついていますし、
十分に表情豊かです。
豊かだが過剰ではない、それがいいのです。

ある時期までは、声量の豊かな声が好きでした。
例えばブロホヴィッツのような。
でも、今は少なくとも歌曲については、好みません。
オペラならともかく……。

Meensの凄いところは、張り上げず、かなり抑えた歌い方なのに、
声がゆれず、ほぼ常に真っ直ぐ出ていること。
ピアニシモになってもそれは変わりません。
これはかなりの体とテクニックがなければできないことだと思います。
結果として、粉挽き職人の青年自身が歌っているような錯覚に陥らせてくれます。

Olle Persson盤は、Bergstrom のギターの響きがきれいなのと、
Perssonの優しく語るような歌い方がいい。

かつて夢中で聴いていた頃ほど聴き入ることはできませんが、
どちらのCDもちょっとしたいい時間をもたらしてくれます。

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なお、全20曲の中で私が特に好きなのは、
10曲目の涙の雨(Tränenregen)と
19曲目の水車職人と小川(Der Müller und der Bach)。

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この2曲だけは、今でも耳にする度に胸にしみます。

この世にこんな素晴らしいものがあり、
自分が若い頃にそれに出会うことができたことを仕合せに思います。



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by chronoir2023 | 2024-06-22 19:54 | クラシック音楽 | Comments(0)

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