自分で自分に返事をする人たち
2024年 06月 06日
政治問題などを扱ったネット動画の音声データだけを保存し、
それをMP3プレーヤーに入れて、ほぼ毎晩寝床でいくつか聴いてます。
その中に出演者の話し方を聞き苦しく感じるものがあります。
内容が興味深いので更新されるごとに聴くのですが、聞き苦しさは減りません。
私より歳が少し上の男性なのですが、
一区切りごとに、「ね、うん」とほぼ例外なく言うのです。
こういう話し方をはじめて聞いたのは、
四半世紀ほど前、今は亡き母が入院したときです。
薬剤師だという若い女性が病室の母のベッドの横に来て
母に処方された薬について説明してくれるのですが、
自分のその説明に、いちいち「うん」と自分で返事をするのです。
もぞもぞしてきて、いたたまれない気持になりました。
一緒にいた姉に、病院を出て帰る途上で
「いまどきの若い女性はあんな喋り方をするの? なんかいやだな」
と言ったら、
「若い女性じゃなくても、ああいう喋る方をする人は結構いるんじゃない?」
と言われて、
「えーっ、そうなんだ。だって、あの人は専門家でしょ。
あんな自信がない喋り方でどうするんだ。こっちは不安になってくるよ」
と嘆いて見せた記憶があります。
問題はこのあとです。
それから間もなく、何かの必要があって或るところに電話をかけたのですが、
相手は留守。
会社員時代は、ひとと話すのが仕事みたいなところがありましたし、
留守電に伝言を入れることも日常茶飯、要領よく話すことなどお手のものでした。
しかし、当時の私は、会社を辞めてアルバイトで食いつなぐ生活をしていました。
留守電に伝言を入れることはもとより、ひとと話す機会が激減していました。
それなのに、昔の自分とは違うことに気づかず、
何の心の準備もなく即席で伝言を入れたのです。
伝言を入れている途中で気づきました、かつてのようにはすらすらと言葉が出ず、
しかも、合間合間に「はい」と自分の言葉に自分で返事をしていることに。
気づいたにも拘らず、やめられませんでした。
伝言を入れ終わった後、自分の伝言を消したいという衝動に駆られましたが、
後の祭り。
紆余曲折の後、今や在宅ワーク歴十数年の私。
気を抜いたら、そういう話し方をしてしまうかも知れません。
ネット動画で話すその人は、私の優れた反面教師になっています。
by chronoir2023
| 2024-06-06 21:54
| 言葉
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