若者は昔話を嫌い、老人は昔話を好む?


私は昭和30年代生まれで、当然戦争の記憶はありません。
しかし、生まれる十数年前までは日本は戦争中でした。
当時父は、外地に派遣されていました。

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「S18年頃か? 当時のバッスック軍酒保にて」(写真の裏のメモ)


父は大正13年生まれで、終戦時は21歳です。
戦後40年の昭和60年には私は20代後半の会社員で、父は61歳でした。

今60代になっている私にとって、会社に就職した40年前はそれほど遠い昔に思えません。
ついこの前のような気がするといっても過言ではありません。
そのことから類推すると、61歳の父にとって、
昭和20年はそれほど前のことではなかったのではないかと想像されるのです。

父は十数年前に他界しました。
父は戦争中の話をほとんどしませんでした。
外地にいたと言っても、いたのはベトナムあたりで、
戦闘は経験しなかったらしい。
所属は第三気象連隊でした。
敗戦後レンパン島に抑留され、日本に帰ることができたのは昭和21年5月。
それくらいのことしかわかりません。

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 https://www.google.co.jp/maps/


昭和の終りごろだったか、何度か戦友会に出席したことがありましたが、
そのうち行かなくなりました。
「いいやつほど早く死んでしまう」とぽつんと言うのを聞いたことがあります。
会いたい人がもういなくなってしまった、ということだったろうと推測されます。

今になって思うのは、戦争中のことをはじめ、
父が若かった頃のことをいろいろ聞いておけばよかった、ということ。
語りたくないから語らなかったのではなく、
そういう機会がなかったから語らなかったのであって、
こちらが水を向ければ、いろいろ話しただろうと悔やまれます。

もうこの世にいないからそう思うだけで、
生きていたらそういう気持にならなかったかもしれないので、
虫のいい話ではあります。

父の昔話を聞きたかったなどと思うようになったのは、
私自身が老人になったからかもしれません。

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昨日、吉村昭さんの『東京の下町』(文春文庫、2017年、新装版)を読み終わりました。
しみじみと面白く読んだのは、そのことといくらか関係していたかもしれません。


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by chronoir2023 | 2024-04-03 19:59 | 読書 | Comments(0)

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