昔も今もマスクは美人をつくりだす……?


数日前、仕事で必要な本をかりるために中目黒駅前図書館に行きました。
在宅で仕事をしているので電車に乗るのはときどきなのですが、
このところ電車に乗るときは、車内で『東京の下町』
(吉村昭、文春文庫、2017年、新装版)を読みます。

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電車の中でしか読まないので、なかなか進みせんが、
いよいよ終りに近づいています。

読んでいると、しみじみとした気持になることが多く、
読むのを中断して、電車の中で揺られながら
しばしその気持に浸っていたくなることがあります。

もっとも、昨日読んだ箇所では、そういうことにはなりませんでした。

  風邪がいえて通学するようになると、マスクをかける。
 風邪予防にもよいとされ、冬の寒気がきびしい季節には
 マスクをかける者が多い。マスク美人という言葉があって、
 それをした女性がひどく美しくみえ、それだけ口もとと
 鼻の下部に欠点のある女が多いのだ、と思ったりした。
                       (258頁)

コロナ騒動が続いている間、町で目にする人のほぼ全員がマスクをしていました。

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マスクに効果がないことは自明だと思っていたので、
私たち夫婦は外を歩いているときはマスクなんぞしませんでしたが、
電車に乗ったり、図書館や店に入ったりするときは、
マスク教信者に安心してもらうためにマスクをしました。

その頃、驚いたのは、きれいな女性が大量発生したこと。
まさにマスク美人。
マスクの下を想像することなど思い及ばず、
周囲が美しい女性で溢れていることに
快さと多少の気持悪さの両方を感じました。

吉村さんは、昭和2年生まれ。
引用した箇所は、子どもの頃の話なので、
昭和一桁から10年代の話でしょう。

マスク美人。
当時も同じだった……。

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戦前戦中のマスクは、どんなものだったのか。
コロナ騒動の初期に政府が配って顰蹙を買ったあれみたいな
白くて四角いのだったに違いないと思って、ネットであれこれ見ると、
色も形もいろいろあったことがわかり、驚きました。

ただし、吉村さんの「マスク美人」がかけていたマスクは、
形はともかく、白マスクだったのではないかと、
私は勝手に想像します。

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コロナ騒動の最中、いろいろなマスクを見かけました。

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派手な模様がついたのや黒色のにも戸惑いましたが、
はじめて見たときにぎょっとしたのは、肌色のもの。

映画『マトリックス』で、キアヌ・リーブスの口がなくなる場面がありましたが、
それを彷彿させ、恐怖に近いものを感じました。

マスク美人、悪くありませんが、口や鼻が見える方がやはりいい。

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ごく少数のとびきりの美男美女以外は誰もみな、
「口もとと鼻の下部に欠点」があって当たり前、
隠さずに堂々と見せるに如くはなし、と思います。


Commented by Toruberlin at 2024-03-30 04:52
おはようございます。
昭和初期にも⁉️マスク美人かー。
花粉対策の例もあるんでしょうが今もマスクは少なくない。
信者、安心させる為に加えて
マスク美人が気に入ってるから、もあるんでしょうなー。
🌸、咲き始めましたねー
Commented by chronoir2023 at 2024-03-30 08:41
Toruberlinさん、コメントをありがとうございます。

衛生上の心配がなくてもマスクを外し難くなる気持は、分るような気がします。
でも、なんだかな~、という感じです。
やっと暖かくなり、今日は素晴らしい天気です。
午後、買い物がてら桜の様子を見に行こうかと思っています。
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by chronoir2023 | 2024-03-26 20:14 | 読書 | Comments(2)

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