『524人の命乞い 日航123便乗客乗員怪死の謎』読了



小田周二著『524人の命乞い 日航123便乗客乗員怪死の謎』(文芸社、2017年)を読みました。

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小田さんは1985年に起こった123便の墜落で
高校一年の次男と中学一年の長女、親戚三名を亡くしています。

123便の事件は、謎が多すぎます。

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政府には真相を究明する気がないことは明白で、
真相究明どころか、頬被りを決め込み、
風化を一途に願っているようにしか見えません。

小田さんは、自分で「勉強し、調査し、研究分析を重ね、
自らの結論を導き出して世に問う」(24頁)ことを決めて実行し、
その結果を『日航機墜落事故 真実と真相』(文芸社、2015年)にまとめました。

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その本は、「仮説に基づく日航ジャンボ機墜落事件の全容を論文化」(24~25頁)したもので、
さらに、その本で「明らかにした事件の概要を一般の方にわかりやすくまとめたもの」(25頁)が
私の読んだ『524人の命乞い 日航123便乗客乗員怪死の謎』です。

『524人の命乞い』で述べられている
小田さんの仮説の要点を列記すると――

・日航機の尾翼に自衛隊が発射した無人標的機が当たった。
・通常の飛行が不能になった日航機は、それでも何とか飛行を続け、
 米軍横田基地に緊急着陸しようとした。
・政府が真相隠蔽のためにそれを阻んだ。
・仕方なく山岳地帯に向かった日航機を自衛隊機が真相隠蔽のために撃墜した。
・墜落地点は早期に判明していたが、政府は真相隠蔽のため、
 別の地点を墜落地点のように発表して時間稼ぎをし、
 救助活動開始を遅らせた。
・時間稼ぎをしている間に、墜落現場に自衛隊の「特殊部隊」を送り込み、
 生存者の殺害を含め、隠蔽工作を行った。
・発見された4人の生存者は、「特殊部隊」には発見されず、
 彼らよりあとに入った救助隊に発見されたために、殺害されずにすんだ。

衝撃的な仮説で、まさかと思わないでもないですが、
小田さんは、全て根拠を示して論じており、説得力があります。
昨今の日本政府のやることなすこと、
あるいはまた過去の日本政府がやってきたことなしてきたことを思うにつけ、
こういうことは十分にありうる、
これが真相、少なくとも真相はこれに近いだろう、と思わせられます。

なお、読む価値大のこの本ですが、引っかかりを覚えた箇所が
一箇所だけありました。

  現在、 米国のトランプ大統領の行動が、 米国だけでなく、
 世界を震撼させている。 選挙に勝つために手段を選ばず、
 ロシアに秘密の要請をしたと報じられ、この調査に着手した
 FBIの長官を罷免したと、国民の顰蹙を買っている。
 (223頁)

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こういう軽口は、非常に残念に感じます。
真相究明に及び腰のマスコミに業を煮やしているであろう著者が
反トランプのマスコミの言うことを鵜呑みにしているのを見せられると、
あ~あ、という気持になります。

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私がキズと感じたのは、そこだけです。
一人でも多くの人に読んで欲しい本だと思います。
たった一つのキズでその気持が変わることはありません。


Commented by saheizi-inokori at 2024-03-13 10:42
青山透子さんも執拗に(JALから見れば)、同じ見解の元考察をくりかえし出版していますね。
あれだけの人たちが関与して、偽装がバレないのが不思議ですが、本を読むと(小田氏のも)、中曽根のインチキを疑いたくなります。
Commented by chronoir2023 at 2024-03-13 14:53
saheiziさん、コメントをありがとうございます。

青山さんの本も以前に何冊か読みました。
同僚を亡くした青山さんからも肉親を亡くした小田さんからも強い執念を感じます。
残念なことに、その執念を讃えることぐらいしか私にはできません。

小田さんの『524人の命乞い』の中に、中曽根氏の言葉がいくつか引用されています。

「123便事件の真相は墓場まで持って行く」(230頁)

〔電話で123便の撃墜許可を求める自衛隊幹部に対して〕「国民に知らせないようにできるなら、許可しよう」(65頁)

ただし、いずれも伝聞によるもので、真偽については不明と言わざるを得ません。
Commented by kogotokoubei at 2024-03-13 20:18
青山透子さんの全作品を読んでいながら、小田さんのこの本は未読でした。
訴求されている真相は、青山さんと、ほぼ同じのようですね。
日航123便墜落事件の真相が明らかにされないと、犠牲者が浮かばれませんね。
Commented by chronoir2023 at 2024-03-13 20:32
kogotokoubeiさん、こんばんは。
ずっと気になってた青山さんの本を読んだのは、kogotokoubeiのブログに触発されてでした。
遅ればせながらお礼を申し上げます。ありがとうございました。

>日航123便墜落事件の真相が明らかにされないと、犠牲者が浮かばれませんね。

同感です。
「政府には真相を究明する気がないことは明白」と書きましたが、
あらためて考えてみると、究明するまでもなく、政府は真相を知っているのでしょう。
知っているからこそ、何もしないのだと推測されます。
あれこれ考えていると、出口のない暗い地下室を彷徨っているような気持になります……。
Commented by stanislowski at 2024-03-17 21:56
戦後占領されて日本解体がさらに加速したのでしょう。
明治維新から劇的に。

謎が多いものかなりありますね。
怖いけど知りたいような知りたくないような。
下山、三鷹、松川、三億円とか…
Commented by chronoir2023 at 2024-03-18 09:56
stanislowskiさん、コメントをありがとうございます。

>怖いけど知りたいような知りたくないような。

私も全くそのように感じます。
今このとき、困窮したり自由を大幅に奪われたりしているわけではないので、
「怖い」ことには関心を持たずにいる方が、心安らかに暮らせるということがあります。
それが、権力を持つ人たちの思う壺なのでしょうが……。
難しい問題です。
Commented by baobab20_z21 at 2024-03-20 20:53
こんにちは、初めてコメントさせていただきました。
この事故、私が10歳のときでした。夏休み、TVの速報を恐怖で見てたことを鮮明に覚えています。
そののち、謎だらけな事件ということは割と最近知ったことです。思えばこういう事故や事件が多いですね。ぜんぶ陰謀めいてて。でも、なぜ、何のために自衛隊が撃墜する必要があったのですか?
米軍ではなくて?

さいごのおっしゃるメディアの鵜呑み、確かにそうです。
真相究明というなら、そのくだりは、バランスを欠くものと思わざるをえませんね。アメリカや西側の陰謀とも絡めて考察されるべきですよね。
Commented by chronoir2023 at 2024-03-20 22:12
なちこさん、コメントをありがとうございます。

>でも、なぜ、何のために自衛隊が撃墜する必要があったのですか?

小田さんの推測によれば、下記のようになります。
・自衛隊が日航機の尾翼に無人標的機を当てたのは過失だった。
・1971年に起こった雫石事件(全日空機の尾翼に自衛隊機が接触して双方墜落)では、
 乗客乗員162人全員が死亡したために目撃証言がなく、
 自衛隊機のパイロット(パラシュートで脱出して生存)とその教官が有罪になっただけで、
 組織としての自衛隊や政府の責任は有耶無耶になった。
・日航123便の乗客乗員全員に死んでもらい、証拠になる残骸を回収しさえすれば、事実を隠蔽できる
 と自衛隊幹部及び政府中枢は考えた。
なお、雫石事件の一か月前まで防衛庁長官だったのは、中曽根康弘氏であり、
日航123便事件の時の総理大臣=自衛隊最高指揮官も中曽根康弘氏でした。

小田さんの推測を陰謀論と片付ける人もいるでしょうが、
実際に読めば、少なくとも政府の説明よりはるかに説得力があると考える人が
大半ではないかと思います。
政府が小田さんより説得力のある説明をしくれるなら、私はすぐにそちらに靡きますし、
本当はその方がよいのですが、期待できそうにありません。

なお、自分がその立場にいたらどうしたか、と自問すると、正直のところ、即答に窮します……。
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by chronoir2023 | 2024-03-12 13:00 | 読書 | Comments(8)

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