藤岡陽子『きのうのオレンジ』読了


昨日は、藤岡陽子さんの小説『晴れたらいいね』について書きました。
今日は、その後に読んだ同じ著者の小説『きのうのオレンジ』について書きます。

『晴れたらいいね』と同じく、『きのうのオレンジ』も面白く読みはしました。
やはり、ぐっとくるところがあり、うるうるくるところまでありました。
十分楽しめました。

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ただ、この小説、理屈が通っていないというような問題はないのですが、
私は、一種『晴れたらいいね』に似たひっかかりを感じました。

たぶんそれは一般的なものではないでしょう。

著者は看護専門学校卒の専門家です。
私はド素人です。

しかし、父を癌で亡くしていますし、親戚で癌の手術をした人もいます。

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私自身は会社員だった頃に健診で引っかかり、一度だけ胃カメラを飲んだことがあります。
粘膜下腫瘍だから毎年胃カメラを飲めといわれましたが、
その後数年、毎年胃カメラを飲めと言われているからと健診のレントゲンはパスしつつ、
胃カメラは二度と飲まずに誤魔化し、数年後に退職してフリーランスになったので、
健診も胃カメラもやらずに現在に至っています。

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その経験などから私は癌保険や癌の標準治療といわれているものに疑念を抱いています。
その私には、この小説、癌保険や癌の標準治療の宣伝のように見えるところがありました。
その治療が主人公に大きな効果をもたらすというような話ではないし、
それどころか、批判しているようにとれなくもない箇所もあるのですが、
私の思い込みによる過剰反応、ゆえなき難癖・言いががりではないかとは思いつつも、
多少のひっかかりを感じてしまいました。

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『晴れたらいいね』同様、細部はよく書けていて、心ひかれるのです。
登場人物たちもよく描かれてて、それぞれをわがことのように感じることができます。
そうでなければ、すれっからしの六十路男の目をうるうるさせることなどできません。
でも、大枠にひっかかりを覚えるのです。
『晴れたらいいね』に似た、と言う所以です。

少し間を置いて、同じ著者の別の本も読んでみようと思っています。
地の文に「半端ない」とか「よさげ」とかが出てくるのには閉口しましたが、
そう思わせるだけの魅力がこれまでに読んだ三冊にはあったのです。


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by chronoir2023 | 2024-02-18 20:13 | 読書 | Comments(0)

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