フォーレの曲、雑に聴き比べ
2023年 12月 20日
一週間足らずの間に二回もフォーレ絡みのことを書きましたが、
取り上げた曲以外のフォーレの曲も聴きたくなり、
今日は、バイオリンソナタ第一番と、
歌曲をいくつか聴きました。
ソナタは、あえて愛聴盤ではなく、ずっと聴いていない、
フランチェスカッティのバイオリンとカサドシュのピアノによる
1953年録音のモノラルレコードでまず聴いたのですが、
バイオリンのビブラートが曲に合わない感じがして、第一楽章だけで止めました。
嫌いだった納豆が最近好きになったごとく、
好みが変わることがあるので、あえて聴いてみたのですが、
やはり好みに合いませんでした。
やっぱり、愛聴盤でないとだめか……。
このCDです。
ドムスカルテットのメンバー二人による演奏で、1987年の録音です。
このバイオリン、ビブラートが抑えられ、
渓谷の澄んだ冷たい水の流れを思わせるような音です。
一般的には美音とは言いがたいかもしれませんが、
私はこれが好きです。曲に合っていると思います。
このCDでこの曲を知り、この演奏に慣れ親しんでいるから
ということが大きいとは思いますが。
歌は、世評の高さにつられて何十年も前に買ったまま殆ど聴いていない
パンゼラで聴いてみました。
SPレコードをLPレコードにしたもので、録音は1930年代。
もう大昔ですね。
肝心の演奏ですが、私にはやはり、いいと思えません。
録音が古いせいもあるのかも知れませんが、声に魅力がない。
節回しも、まさに「節回し」という感じで、ダサいと言いたくなってしまいます。
楽器の場合は、例えばバッハを奏でるシゲッティのバイオリンのように
美音とは言えない音でも味わい深い場合がありますが、
歌は、声という楽器がいい音を出してくれないと……。
私の感覚に問題があるのかも知れませんが、
なぜ世評が高いのか、私には謎です。
これも愛聴盤で聴き直すと、やはりいい。
カミーユ・モラーヌの二枚のレコードです。
華美でない美声。
それぞれの曲のよさがストレートの伝わってきます。
名優が演じると、役者の存在が消えて、役の存在だけが意識されるように、
歌手の存在が消えて、歌だけが聞えてきます。
声が無理なく前にしっかり出ていて、言葉が明瞭に聞え、
音量も表情も過剰でなく、上品で、センスのよさを感じさせます。
あえて比喩を用いれば、「ジェットストリーム」の故城達也さんが、
声はそのままにフランス人の歌手に生まれ変わって、
今ここで歌っているかのようです。
もう一つの愛聴盤も少し聴いてみました。
ジャック・エルビヨンによる1970年代半ばの録音。
こちらはCDです。
声の美しさ・安定感も言葉の明瞭さもモラーヌにかなり劣りますが、
表情をつけずぎず、あっさりと、しかし丁寧に歌っていて、
これはこれで好きです。
蛇足は、スゼーとアメリンクによる四枚組CD「フォーレ歌曲全集」。
1970年代前半の録音です。
スゼーの演奏を二、三曲聴いてみましたが、
かつての印象と変わらず、魅力を感じませんでした。
声がこもりがちだし、頻用する溜め息のような発声を含めて表情をつけすぎで、
フォーレの音楽に浸ることができません。
「全集」なのに、実に残念です。
なお、クラシックの女性歌手は、古楽系の人以外、
どの人の歌唱にも私は魅力を感じたことがありません。
いや、言い過ぎました、多少の例外はあります。
しかし、この「全集」のアメリンクは例外ではありません。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
文箱さん、過分のコメントをありがとうございます。
年明けの手術がうまくいき、そして恢復されますことを
切に切に願っております。
年明けの手術がうまくいき、そして恢復されますことを
切に切に願っております。
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by chronoir2023
| 2023-12-20 20:34
| クラシック音楽
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Comments(2)






