奇蹟の曲、フォーレのレクイエム
2023年 12月 18日
高校時代、混声合唱団のバスパートの一員をやっていて、
この曲を、全曲ではありませんが、定期演奏会で歌ったことがあります。
その時から大好きな曲です。
私はキリスト教徒ではありません。
親の家が神道だったので、冠婚葬祭は神道で行いますが、
これといった信仰は持っていません。
30年近く前、人員が足りないからと友人に誘われて
在日ドイツ人二十人ほどと十人足らずの日本人と一緒に
教会でパレストリーナとハイドンのミサ曲を歌ったことがあるのですが、
その時は、歌うことは楽しかったものの、多少落ち着かぬ気分でした。
ある日の練習のあと、
指揮者の奥さんで、世話役のようなことをしている女性(ドイツ人でも日本人でもない東洋人)に
「アニュスではなく、アグヌスと歌って下さい」と言われました。
私は、「Agnus Dei」を高校時代にフォーレを歌ったときと同じように「アニュス・デイ」と
何の疑いも持たずに歌っていたのです。
周りが「アグヌス」と歌っていることに全く気づかなかった自分の独善ぶりと、
典礼文がドイツ式とイタリア式で発音が異なることを知らなかった自分の無知を恥ずかしく思いました。
ちなみに、「Agnus Dei」は、「神の子羊」の意で、イエス・キリストを表します。
さて、フォーレのレクイエム。
高校時代以降ある時期まで、廉価盤のルイ・フレモー指揮による演奏で聴いていました。
もちろん、レコードです。
CD時代になって、コルボ盤を買い、しばらくはそれを聴いていました。
十分によい演奏で、満足していました。
数年後、秋葉原の石丸電気の輸入CD売場で見かけて買ったのが、ラッター盤です。
一聴して気に入りました。
CDに添付されている冊子にあるラッターによる英文の解説によると、
フォーレのレクイエムには三つの版があるとのこと。
それまで聴いていたものは全て第三版(1900年)による演奏でしたが、
ラッター盤は第二版(1893年)による演奏です。
第三版ではフルオーケストラになっていますが、
1893年版はオーケストラ部分が簡素です。
サンクトゥスでソロバイオリンが登場する点も第三版と異なります。
しかも、ラッターは古楽風の演奏をしていて、
ビブラートが抑えられ、透明感が素晴らしい。
バリトンの独唱者だけは、たぶん無理だったのでしょう、
ビブラートがかかってしまってますが、
曲全体の雰囲気を壊すほどのことはありません。
無理のない歌い方で、気持ちよく聴けます。
気に入っています。
私は合唱経験者ではありますが、
ベートーベンの第九の第四楽章のような音楽が好きではありません。
大勢で声を張り上げるような合唱が嫌いなのです。
小編成で、歌われている言語に通じていなくても言葉がはっきり聞え、
内声もちゃんと聞える透明度の高い演奏が好きです。
そういう私にとって、ラッターの演奏は素晴らしく聞えました。
今も同じです。
その後、ヘレヴェッヘ指揮の同じ1893年版による演奏のCDが出ました。
これもときどき聴きます。これも素晴らしい演奏です。
しかし、聞き慣れてしまっているせいもあるのでしょうが、
ラッターの素朴な演奏の方が好きです。
フォーレのレクイエムを聴いていると、
この曲は奇蹟的な曲という感じがしてきます。
自分が奇蹟的と思える曲が他に何かあるか考えたら、
いくつか思い浮かびました。
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番
同第27番
フランクのバイオリンソナタ
シューベルトの歌曲集「美しい水車小屋の娘」
シューマンの歌曲集「詩人の恋」
フォーレの歌曲「夢のあとに」「月の光」
ダウランドのリュート歌曲集
ラヴェルの弦楽四重奏曲
ドビュッシーの「月の光」
ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」
いずれも、あるべきものが完全にあるべきようになっている、
そのように私に感じさせてくれる曲です。
もっとあげたくなりますが、あまりあげると、
「そんなにあるんじゃ、奇蹟的じゃないだろ!」
ということになってしまうので、
このくらいにしておきます。
クラシックの名曲はどれも奇跡だと思います。
バッハは落選でしたか^^。
バッハは落選でしたか^^。
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saheizi-inokoriさん、コメントをありがとうございます。
実は、バッハの無伴奏バイオリン、無伴奏チェロ、マタイ受難曲……、
をあげようかと思ったのですが、多くなってしまうのと、
これらは何かこう別格で、
それを奇蹟にしてしまうと、ほかが奇蹟ではなくなってしまうように思えて、
そのままにしてしまいました。
ベートーベンの最後のピアノソナタ数曲と、弦楽四重奏曲数曲なども同様です。
実は、バッハの無伴奏バイオリン、無伴奏チェロ、マタイ受難曲……、
をあげようかと思ったのですが、多くなってしまうのと、
これらは何かこう別格で、
それを奇蹟にしてしまうと、ほかが奇蹟ではなくなってしまうように思えて、
そのままにしてしまいました。
ベートーベンの最後のピアノソナタ数曲と、弦楽四重奏曲数曲なども同様です。
別格と云う訳ですね、安心しました^^。
by chronoir2023
| 2023-12-18 20:12
| クラシック音楽
|
Comments(4)








