『世界はなぜ地獄になるのか』その2
2023年 12月 13日
先々月の13日に橘玲さんの『世界はなぜ地獄になるのか』(小学館新書、2023年)を
ここで取り上げましたが、
その本には、学歴による賃金格差の日米比較について書かれており、
興味深く読みました。
日本では、大卒・院卒と高卒との賃金格差は、男26%、女43%、
米国では、大卒と高卒の賃金格差が100%以上とのこと。(158頁)
米国と名門大学の学費ってどのくらいなんだろうとネットで調べてみると、
1年間のそれが、日本円にして500万円以上。
ってことは、4年間で2000万円?!
一方、日本の国立大学は4年間で300万円以下、
早慶の文系で4年間で500万以下。
米国の名門大学に比べたら、日本の有名大学は教育内容も卒業して得られる格も
はるかに劣るのかも知れませんが、それにしても高すぎる!
私は私立大学の文学部を卒業しましたが、
教育内容はお寒い限りでした。
そこを卒業した利点は何だったかと今考えてみると、
履歴書にそのことが書けたことと、
企業の営業部員だった頃、顧客に同じ大学の出身者が結構いて助かったこと、
学歴に関して過剰な劣等感を持たずにすんだこと、
ぐらいです。
思い返してみると、それだけでもかなりの利点ではあります。
卒業できてよかった、馬鹿にしたものではない、自分の幸運を感謝すべき、
そう今思い直しました。
大学生の頃、勉強しなかったわけではないものの、
自分で勝手にやっただけのこと。
私が大学を卒業したのは1980年代ですが、
1960年代初頭に福田恆存さん(この人は東京帝大卒です)が書いていたように、
独学で出ただけのことでした。
ちなみに、子どもの頃からずっと学校や教師が苦手だった私には、
独学で卒業できたことは、有り難いことでした。
これもまた福田さんが書いているように、
自然科学系は事情が異なるのかも知れず、
またそうでなくては困るように思います。
人文系は、ほんとにもう、いい加減……。
私たち夫婦には子どもがいない上に、身近に若者がいないので、
最近の大学の状況は分からないのですが、
そうそう変わるものではないように思います。
それにしても、米国の名門大学、
学費がそんなに高額では、一般庶民には高嶺の花でしょう。
しかし、そんな格差があるとなれば、
ある程度以上の学力があってエリートになりたい人は、
何が何でも名門大学卒業をめざすでしょう。
橘さんによれば、まさにその通りで、
その結果、そういう人の多くが多額の学資ローンを背負い、
しかも、その挙げ句、そのうちの多くが不本意な仕事にしか就けないのだとのこと。
理由は簡単で、エリートになれる仕事は限られているから。
それはそうですね、エリートが大勢いたら、もうエリートではなくなりますものね。
勝ち組となった若きエリートたちは、
どんな世界をめざすのか。
あまり期待できないと思うのは、私の悲観癖のせいでしょうか。
世界の情勢を間接的に見聞きする限り、私の悲観は覆りません。
by chronoir2023
| 2023-12-13 20:09
| 読書
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