ノバラとバラの区別を知らなかった頃


昨日の午前中、妻と二人で例によってひと山越えてスーパーに行きました。
坂を上ってすぐの人家の庭に野ばら※が咲いていました。

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なんだか、しょっちゅう咲いているような気がします。

子どもの頃、「ぶんぶんぶん」という歌を学校で習いました。

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 おいけの まわりに のばらが さいたよ ~~

その頃、歌いながら思い浮かべていたのは、普通の赤い薔薇の花です。

もう少し大きくなって、ゲーテの詩による
ヴェルナー及びシューベルトの「野ばら」も聞き知りましたが、
やはり思い浮かべていたのは赤い薔薇の花、
というか、特に何も考えず、そう思い込んでいました。

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ヒット曲「バラが咲いた」の影響があったのかもしれません。
その歌の中の「バラ」は、当時の状況を考えると、普通の真っ赤な薔薇でしょう。

 バラが咲いた バラが咲いた まっかなバラが~~

私は四十歳までの十数年間、音楽教育に関わる仕事をしていました。
「ぶんぶんぶん」の挿絵をイラストレーターにお願いしたことがあります。
その時調べて、「のばら」が薔薇とは違うことをはじめて知りました。

挿絵は、薔薇ではなく、ノバラ=ノイバラを描いてもらいました。

ゲーテの「野ばら」は「イヌバラ」だそうで、
薔薇という言葉で普通にイメージする花ではなく、
ノイバラに近い花と思われます。
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しかし、子どもの頃はノバラなど、見たことも聞いたこともなかったのですから、
そんなことには想像が及びませんでした。

もう三十年以上前のことで、記憶が定かでないのですが、
仕事で「のばら」の挿絵をイラストレーターさんにお願いした時も、
実物を見たことはまだなく、本で写真や図を見つけ、
それをコピーして渡したように思います。

いつからでしょうか、人家の庭や垣に普通にノバラを見るようになったのは。
オリーブの木を見かけるようになったのよりはかなり前ですから、
ここ二十年ぐらいでしょうか。

あの頃、身近でノバラを見ていれば、仕事がしやすかったのになどと、
ノバラを見ながら、昔のことを懐かしく思い出しました。
そして、植物にも流行り廃りがあることが実感されてきました。

私が子どもの頃、人家の庭や玄関先でよく見かけた花といえば、
アサガオ、ヒルガオ、ユウガオ、ホウセンカ、チューリップ、
キキョウ、アジサイ、オシロイバナ、クロッカス、ケイトウ、
アヤメ、といったところ。
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少し時代が下って、三色スミレ、一時は、サルビアをよく見かけました。
そういえば、「サルビアの花」というヒット曲もありました。

思いつくまま花を列記しましたが、今もよく見かける花がある一方で、
ユウガオ、ホウセンカ、ケイトウ、サルビアなどは、たまにしか目にしません。
アサガオは結構見かけはしますが、昔は、植えている家が今よりもずっと多かった。
私の家でも毎年植えていました。

アジサイは、いろいろな種類のものが入ってきて、
それぞれきれいですが、昔ながらのものは昔ほどは見ません。

生花店や園芸店で扱っている花の種類が昔とは段違いに多くなっていますので、
昔定番だった花が相対的に少なくなるのは当然ですね。

私が子どもの頃好きだったのは、アジサイとアヤメでした。
アヤメはよく絵を描いていました。
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よく庭いじりをしていた祖母が、「この花は好かん、肥やしてしまえ」*と呟いて
アジサイを抜こうとしているのにたまたま気づいて、
「抜かないで!」と止めたことがあります。

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祖母には、「うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて」というような
切ない思い出でもあったのか(まさか、と思わなくはないですが)、
あるいは辛気臭く見えて嫌だったのか、
今なら理由を尋ねるところですが、
当時はそんなことには思いが及びませんでした。

いろいろ考えを巡らすと、何十年も思い出したことがなかった
花に関係しているいろいろ記憶が蘇ってきて、
しばらく感慨に耽りながら歩きました。

*12月12日追記
生えている植物を処分することを祖母は「こやす」と言っていました。
「肥やす」と当然のように思っていましたが、少なくとも辞書で見る限り、
「肥やす」だと逆のような意味になるので、「肥」の字を当てるのが適当かどうか不明です。
ただ、「肥やす」⇒「肥やしにする」⇒「処分して何かの肥やしにする」⇒「処分する」
とも考えられ、だとすれば、ママでもいいことになります。
祖母は種子島の出身です。方言なのか、祖母の独特の言い方なのか、
いまだに不明ですが、記憶の中の言葉なので、そのままにします。

※12月13日追記
これはノバラではないようです。
コメントをいただいてわかりました。
どうも思い込みが激しくていけません。
もう少し調べてはっきりしたら、さらに追記します。


Commented by rui-asami at 2023-12-12 23:33
1枚目の写真はコクテールではないですか?
野バラになるのかしら?
私は一重の花が好みでこれは藤沢に住んでいた時に
テラスの端から端までこれを絡ませて楽しんでいました。
お正月の羽根つきに使う羽根のようだと
幼いころを懐かしみながら愛でていました~
Commented by chronoir2023 at 2023-12-13 08:02
rui-asamiさん、おはようございます。

拝読して、ネットであれこれ見てみました。
いまひとつよく分からないながら、
この写真の花は、コクテールのように思えてきました。
私はコクテールという花を知らず、
昔写真や絵で見たノバラ(ノイバラ)だと
何も疑わずに、思い込んでいました。
思い込みはいけませんね。
このあと、もう少し調べてみます。

こういうコメントをいただくと、
ブログをやっていることの醍醐味を感じます。
rui-asamiさん、ありがとうございました!
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by chronoir2023 | 2023-12-11 21:02 | | Comments(2)

日々の暮らしの中で感じたことや考えたことを書きます。


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