立食いそば屋のカレーの思い出
2023年 11月 11日
昼時だと、駅の構内にある立食いそば屋でカレーを食べるのがいつものパターンでした。
そこで出されるカレーは、何の変哲もない、
いかにも昭和の町の食堂のカレー、
あるいは、昭和の学食のカレーといった感じのものです。
なのに、たまたま入って食べたら、なぜか妙に美味しく、
昼時にその駅にひとりで来たら、必ずそれ、ということになりました。
時間もお金も節約できて、美味しいのですから、
どうしてもそうなります。
さて、ある日、入り口の自販機で食券を買い、カウンターでそれを差し出しました。
いつもと同じです。
ただし、その日は、店員さんが違いました。
いつも店員さんは一人。
それまでは、年配で皺の多い、物静かな感じの女性でした。
少し腰が曲がっているように見えました。
しかし、その日は、中年の男性。
はじめて見る人で、感じは良くも悪くもありません。
器に普通にご飯を盛り、大きな煮鍋からカレーをすくい取ってかけ、
最後に福神漬をのせ、それをお盆にのせる。
女性店員と変わって見えるところはありません。
ああ、今日は人が違うな、と思いながら、別にそれが気になるわけでもなく、
お盆を受け取って、狭い店内の奥のカウンターに行き、
(立食いそばと言いながら)椅子に座って食べ始めました。
むむむむ……。
美味しくない。
不味いわけではないのす。十分食べられはします。
でも、美味しくはないのです。
同じようで、同じではないのです。
私は当時も今もカレーにはうるさい方です。
自分でもいろいろつくります。
失礼な言い方ですが、立食いそば屋でそばを食うことはあっても、
カレーを食べる気には普通はならないのです。
なのに、その店でなぜか食べて、しかも気に入ってしまった。
そのこと自体不思議なのですが、
その美味しさが消えてしまったのがまた不思議。
何が違うのか?
味にも具にも、ご飯とカレーの配分にも違いは感じません。
まあ、たまたまだろう、そう思って店を出ました。
その後しばらくして、同じ店に行くと、
今度は、前々回までと同じ年配の女性がいました。
そして、前々回までと同様に美味しかった。
満足しました。
その次に行ったときは、男性でした。
やはり、美味しくなかった。
そのあとは、その駅で降りる用がなくなり、その店にいかなくなりました。
その店、どういうやり方をしていたのか不明ですが、
カウンターの店員さんがそれぞれ独自に仕込みをしていたとは思えないのです。
ご飯もカレーも同じだったと思うのです。
そもそも味に違いを感じたわけではないのです。
ところが、なぜか雲泥の差がありました。
となれば、それはもう、盛り方の違いしか考えられません。
しかも、見た目は同じなので、盛り付けの違いではありません。
盛る行為の違い、口幅ったい言い方ですが「愛情」の違い。
その女性が私に特別の感情を抱いていたという意味ではありません。
私がその人の顔を覚えていないように、
その人もたまに入ってくるだけの私のことなど覚えていないでしょう。
自分の仕事に対する愛情、自分が客に供するものに対する愛情、
食べもに対する愛情、広く且つ大袈裟に言えば、他者や物に対する愛情、
それしか考えられません。
その女性がそんなことを意識して仕事をしていたなどとは思いません。
そうではなくて、その人の人柄、その人がそれまでの経験で身につけた在り方が、
おのずと美味しさを生んだのではないかと思うのです。
そうとしか考えられないし、そう考えたくなります。
たまに何かのきっかけでそのことを思い出すと、
何か、こう、遠い気持になります。
今日、久しぶりに、ふと思い出してしまったもので、
何かものすごい誤解をしているだけ、という可能性を恐れつつも、
我慢ができず、ここに書きました。
ああ、いいお話を聞かせてもらいました。
そうですね、そういうことってあるような気がします。
そうですね、そういうことってあるような気がします。
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totiさん、こんばんは。
自分の思い込みでしかないかもしれないことをアップしていいものか迷いつつ、
でも書いてしまったのだからいいや、えいっ、と「公開」ボタンを押したものの、
そのあと、少々落ち着かぬ気分でいました。
totiさんのコメントで気分が落ち着きました。
ありがとうございます。
自分の思い込みでしかないかもしれないことをアップしていいものか迷いつつ、
でも書いてしまったのだからいいや、えいっ、と「公開」ボタンを押したものの、
そのあと、少々落ち着かぬ気分でいました。
totiさんのコメントで気分が落ち着きました。
ありがとうございます。
saheizi-inokoriさん、コメントをありがとうございます。
私も母の料理、大好きでした。
いただいたコメントで数十年ぶりに思い出したのですが、
たぶん中学生か高校生の頃、
「お母さんの料理は何でこんなに美味しいのかな」と冗談交じりに言ったら、
母も戯けて、「愛がこもっているからよ」と返したことがありました。
私も母の料理、大好きでした。
いただいたコメントで数十年ぶりに思い出したのですが、
たぶん中学生か高校生の頃、
「お母さんの料理は何でこんなに美味しいのかな」と冗談交じりに言ったら、
母も戯けて、「愛がこもっているからよ」と返したことがありました。
by chronoir2023
| 2023-11-11 20:57
| 外食
|
Comments(4)








