キミガヨランと火の鳥
2023年 10月 28日
何か異様な感じを私は受けました。
大袈裟に言えば、昔々、映画『猿の惑星』をはじめて観たとき、
最終シーンで例のものが出てきた際に受けた衝撃に近いものがありました。
なぜだろう、それほどのものだろうか。
そのあと、自分でも不思議で、あれこれ思い返していたら、
既視感のせいだと気づきました。
確か、漫画だ、そう、手塚治虫の『火の鳥』だ!
妻が持っている月刊漫画少年別冊(朝日ソノラマ)の6冊を借り受け、
頭から頁をパラパラ捲っていったら、わかりました。
3冊目にある「宇宙編」でした。
それに出てくる、
ある惑星に送られた人たちが「メタモルフォーゼ」した姿。
あらためて見ると、キミガヨランとはずいぶん違います。
そもそもキミガヨランにある、茎も花もありません。
地面から出ているものの形状も違います。
でも、キミガヨランが並んで生えていた様子、
その日の空の何かこう不気味な感じ、
その空から差す光を受けるその姿、、
交通量の多い県道のすぐわきという場所、
10月にしては暑すぎる陽気、
それらが合わさって、何か異様な印象をもたらしたものと思われます。
『火の鳥』「宇宙編」を私はいつ読んだのか。
読んだことは間違いないのですが、はっきりしません。
ただ、十代であったことだけは確かです。
はじめて読んだそのとき、読みながら、そして、読み終わって、
遠い気持、不思議な気持になりました。
そして、メタモルフォーゼした姿が非常に怖かった。
異星人からの愛情・信頼を裏切った挙げ句、
その異星人たちの大量殺害というひどい罪を犯した男(牧村)が
火の鳥から罰をうけ、不老不死になります。
大人になると徐々に若返ってついには赤ん坊になり、
今度はだんだん成長して大人になる。
そしてまた若返って……。
それを永遠に繰り返すことになります。
事故により宇宙飛行士の男女二人(猿田とナナ)と謎の赤ん坊が
それぞれ一人乗りのカプセルである惑星(実は流刑星)にたどり着きます。
赤ん坊は、重罪を犯した牧村です。
ナナは猿田の求愛を拒み、自分が愛している牧村(その時点では赤ん坊)の面倒を永遠に見るために
火の鳥に頼んで自分をメタモルフォーゼしてもらいます。
メタモルフォーゼによって、「永久に死なないし、嵐にもたえられる」ようになるのです。
永遠に生き続けることの怖さ。
死ぬのも怖いが、死なないのも怖い。
これはもう、十代のガキとしては、遠い気持になるほかありません。
もっとも、現在も同じことですが。
妻は、これを高校生の時に友人から借りて読み、
それまで漫画というものに抱いていたイメージががらっと変わったとのこと。
そのとき妻が受けた衝撃は、かなりのものだったようです。
私はどうかと言うと、キミガヨランに出くわすまではすっかり忘れていたのですが、
この歳になって、あの光景からそれを連想して多少の動揺を来す程度には
衝撃を受けたようです。
不思議なものです。
by chronoir2023
| 2023-10-28 20:34
| 不思議な出来事
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