キミガヨランと火の鳥


二、三週間前にはじめてキミガヨランを見て、
何か異様な感じを私は受けました。

大袈裟に言えば、昔々、映画『猿の惑星』をはじめて観たとき、
最終シーンで例のものが出てきた際に受けた衝撃に近いものがありました。

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なぜだろう、それほどのものだろうか。
そのあと、自分でも不思議で、あれこれ思い返していたら、
既視感のせいだと気づきました。

確か、漫画だ、そう、手塚治虫の『火の鳥』だ!
妻が持っている月刊漫画少年別冊(朝日ソノラマ)の6冊を借り受け、
頭から頁をパラパラ捲っていったら、わかりました。
3冊目にある「宇宙編」でした。

それに出てくる、
ある惑星に送られた人たちが「メタモルフォーゼ」した姿。

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あらためて見ると、キミガヨランとはずいぶん違います。
そもそもキミガヨランにある、茎も花もありません。
地面から出ているものの形状も違います。

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でも、キミガヨランが並んで生えていた様子、
その日の空の何かこう不気味な感じ、
その空から差す光を受けるその姿、、
交通量の多い県道のすぐわきという場所、
10月にしては暑すぎる陽気、
それらが合わさって、何か異様な印象をもたらしたものと思われます。

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『火の鳥』「宇宙編」を私はいつ読んだのか。
読んだことは間違いないのですが、はっきりしません。
ただ、十代であったことだけは確かです。

はじめて読んだそのとき、読みながら、そして、読み終わって、
遠い気持、不思議な気持になりました。
そして、メタモルフォーゼした姿が非常に怖かった。

異星人からの愛情・信頼を裏切った挙げ句、
その異星人たちの大量殺害というひどい罪を犯した男(牧村)が
火の鳥から罰をうけ、不老不死になります。
大人になると徐々に若返ってついには赤ん坊になり、
今度はだんだん成長して大人になる。
そしてまた若返って……。
それを永遠に繰り返すことになります。

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事故により宇宙飛行士の男女二人(猿田とナナ)と謎の赤ん坊が
それぞれ一人乗りのカプセルである惑星(実は流刑星)にたどり着きます。
赤ん坊は、重罪を犯した牧村です。
ナナは猿田の求愛を拒み、自分が愛している牧村(その時点では赤ん坊)の面倒を永遠に見るために
火の鳥に頼んで自分をメタモルフォーゼしてもらいます。
メタモルフォーゼによって、「永久に死なないし、嵐にもたえられる」ようになるのです。

永遠に生き続けることの怖さ。
死ぬのも怖いが、死なないのも怖い。
これはもう、十代のガキとしては、遠い気持になるほかありません。
もっとも、現在も同じことですが。

妻は、これを高校生の時に友人から借りて読み、
それまで漫画というものに抱いていたイメージががらっと変わったとのこと。
そのとき妻が受けた衝撃は、かなりのものだったようです。
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私はどうかと言うと、キミガヨランに出くわすまではすっかり忘れていたのですが、
この歳になって、あの光景からそれを連想して多少の動揺を来す程度には
衝撃を受けたようです。

不思議なものです。


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by chronoir2023 | 2023-10-28 20:34 | 不思議な出来事 | Comments(0)

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