「二人でお酒を」讃
2023年 10月 06日
一昨日「テレサ・テン 日本の心を歌う」のことを書いたのですが、
それに入っている曲で、意外な印象を受けた曲があります。
「二人でお酒を」です。
テレサ・テンの歌い方もいいのですが、歌詞がいいのです。
もちろん、メロディーがそれによく合っているからこそのよさです。
この歌が梓みちよの歌でヒットしたのは1974年。
当時、テレビの歌謡番組で梓みちよがマイクを手に登場したのを見た記憶があります。
この歌を歌いながらスタジオのセット内をノンシャラン風にゆっくりと、
散歩でもするように歩き回り、ついには座り込んで、
そのまま歌い終えた姿が朧気ながら目に浮かびます。
今調べると、当時梓さんは30歳ぐらい。
六十代になった今の私からすれば、若い女性の部類に十分に入りますが、
十代半ばだった当時の私にとっては、そうではありません。
当時は、酒を飲んだこともないし、女性と付き合ったことも別れたこともないのですから、
酒の美味しさにも、大人の孤独の辛さにも、
性愛を越えた大人の男女の親交の楽しさにも想像が及びませんでした。
飲んだくれで厚化粧のおばさんが画面の中を我が物顔でうろつきながら歌っている、
一体なんだこれ、あぐらまでかいて、いい気なもんだ、いい加減にしろ、
ぐらいにしか思わなかったように記憶しています。
今聴くと、歌詞のいちいちが胸に響きます。
前にここに、薬師丸ひろ子が歌う竹内まりやの曲のことを書いたのですが、
歌う歌手の年齢も、歌詞が想定している人物の年齢も、文脈も異なるので、
比べるには無理があると思いつつも、
双方の差の大きさについつい思いが及んでしまいます。
なお、やはり以前ここに、
由紀さおりが歌った「生きがい」の歌詞の不気味さに言及したことがあるのですが、
「生きがい」と「二人でお酒を」は、どちらも作詞は山上路夫です。
「生きがい」の歌詞をけなした分、私は強く断言します。
山上さん、あなたの「二人でお酒」は素晴らしい!
by chronoir2023
| 2023-10-06 19:04
| 歌
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