ジャニーの事件は人類の問題なのだろうか?
2023年 09月 19日
今日の朝、ネットのヤフーニュースを見たら、
この記事が目に入りました。
頭の方の文章の中に「人類史上稀に見る凶悪犯罪」という文言がありました。
そこでひっかかって、そのあとの記事を読む気がしなくなりました。
ジャニー喜多川がしたと言われていることは、確かにひどいことです。
ジャニーやジャニーズ事務所が非難を受けることは当然だと思いますし、
私はその双方を心の底から軽蔑します。
関係者全員、今すぐに表舞台から消えてほしいと思います。
しかし、私は、その犯罪を「人類史上」云々という言葉を用いて形容することに
かなりの違和感、かなりの気持悪さを感じます。
これまでに類を見ない卑劣な犯罪とかでは、
なぜいけないのでしょうか。
人類史上稀に見る凶悪犯罪?
それは、オウムのサリン事件やナチスの蛮行やアメリカの原爆投下や
ソ連によるカチンの森事件の類いについて用いるべき言葉ではないでしょうか。
犯罪の中身が「人類史上稀」という意味であって、
「凶悪」さが「人類史上稀」という意味ではない、
という人がいるかも知れませんが、かりにその通りだとしても、
ジャニー喜多川の事件について、
ことさらに「人類」という範囲の広い言葉を持ち出すことで
ことの重大さが強調されるどころか、
かえって弱められていないでしょうか。
日本の芸能界、日本の報道界、
もっと広げるとしても、日本の社会の問題なのに、
「人類」を持ち出すことで、人類の問題してしまい、
責任の所在の曖昧化につながっていないでしょうか。
「人類」という言葉は、実感に乏しい言葉です。
だからこそ、身近な人を大事にしない人が、「人類愛」を口にします。
私は、芸能界にも報道界にもいたことがありませんが、
それでも、「芸能界」や「報道界」は、「人類」よりは身近に感じます。
それらの言葉には、「人類」に比べれば、実感らしきものが伴います。
ジャニーズ問題に関して「人類史上」という言葉を見聞きするのは
今日がはじめてではありません。
一体誰が言い始めたのだろうとネットで検索したら、
9月7日の記者会見で東山新社長の発言の中に
「人類史上最も愚かな事件」という文言があったことを知りました。
これが初出か、それならさもありなん、嫌な話だ、と思ったのですが、
さらに調べると、違いました。
それより前の8月4日に、
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」石丸志門副代表が
日本記者クラブでの会見で「人類史上最悪の性虐待事件がようやく明るみに出た」
と述べていました。
この発言が「人類史上」の発端と思われます。
当事者がそのような表現をあえてせずにはいられなかった気持は理解できます。
本当にひどい事件です、この事件は。
しかし、引用の形に限定するならともかく、
頻繁に「人類史上~」が使われることはいいことなのでしょうか?
しかも、加害者側は、「最悪の性虐待事件」を「もっとも愚かな事件」にさしかえて使いました。
已むに已まれず発せられた言葉が、悪用されていないでしょうか。
by chronoir2023
| 2023-09-19 20:03
| 言葉
|
Comments(0)



