今日は花を二つ知りました。
2023年 09月 02日
空が相変わらずきれいなので、見上げながら歩き始めましたが、
今日は「何を見ても何かに見える症候群」が発現せず、
それらしいものは見えませんでした。
見上げるのに飽きて地上に目を移すと、
大きな花が目に飛び込んできました。
いつも曲がる小道の角、舗装されずに残ったわずかなスペースに
雑草が所狭しと生い茂っているのですが、
そこに大きな花が一輪、これ見よがしに咲いているのです。
同じ茎からつぼみがいくつも出ているのですが、
咲いているのは一つだけ。
道ばたの雑草にしては、大きく派手で、かなりきれいです。
名前が分かりません。
ハイビスカスに似ていますが、南国風ではなく東洋風の感じがします。
たまたま知っている立葵にも似ていますが、
全体の姿があの長身とは異なります。
帰宅してから調べたら、芙蓉でした。
芙蓉と葵は花がそっくりということで、違いを説明しているサイトがいくつもありました。
葉の形状から、私が今日見たのは芙蓉だと分かりました。
半世紀以上も生きてきて、葵も芙蓉も名前は知っていましたが、
どんな花なのか、知りませんでした。
これまでにも目にしていたはずですが、気に留めたことがありませんでした。
何かに見えるものが空になかったせいで、芙蓉を知りました。
さらに地上を眺めながら歩いて行くと、
夏草が生い茂っている空き家の庭に
見たことがない花が咲いていました。
写真だとわかりにくいですが、芙蓉とは異なり、
とても小さな花です。
芙蓉が手のひらサイズで、こちらは指先サイズ。
妻は実家(農家です)の庭の草取りをする際に何度も見ていると言うのですが、
名前は知らないとのこと。
帰宅後ネットで「白くて中央が赤い小さな花」で検索したら、
出てきました。
なんと、その名は屁糞葛(ヘクソカズラ)。
ジャパンナレッジの<デジタル大辞泉>によると、
古名は「クソカズラ」。
「草やぶに生え、全体に悪臭がある」とのこと。
ただし、『山野草ポケット図鑑』(菱山忠三郎、主婦の友社、1990年)には、
「葉や茎、花、実をもんでかぐといやなにおいがある」が、
「さわらなければにおいはない」とあります。
確かに、近づいても、怪しい匂いは漂ってきませんでした。
私は鼻がきく方なので、確かです。
ネットであれこれ見て、『万葉集』にそれを使った歌があることもわかりました。
高宮王(たかみやのおほきみ)のこの歌です。
皂莢(そうきょう)に延(は)ひおほとれる屎葛(くそかずら)
絶ゆることなく宮仕(みやつか)へせむ
(『万葉集』116-3855)
「皂莢(マメ科の落葉高木サイカチ)に這うようにまとわりついているクソカズラのように
自分もずっと宮仕えを続けたいものだ」というような意味でしょう。
ジャパンナレッジの<小学館 全文全訳古語辞典>によると、
「クソカズラ」は、つるが長く延びることから、
「絶ゆることなし」を導く序詞の中で使われるとのこと。
歌に使われたのは、悪臭ではなく、つるのゆえでした。
いや、そうでもないかも……。
なんせ「糞葛」ですから、自虐が入っているものと思われます。
ウケねらい、ということ? 高宮王さん、なかなかやりますね。
という次第で、今日は花を二つ知りました。
空に劣らず、地上も面白い!
by chronoir2023
| 2023-09-02 17:06
| 生き物
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