本気ではない言葉
2023年 06月 01日
「人に迷惑をかけなければ、何をしてもいい」
見聞きしたことがあるこの言葉は、不思議な言葉だと思います。
この言葉はその言葉そのものを裏切っているのですから。
「私は日本語の単語は何一つ知らない」という言葉が
その言葉そのものを裏切っているのと似ています。
迷惑というのは、迷惑を受けた方が感じることです。
例えば夜中に大音量で音楽を鳴らしても、
隣人がそれを迷惑に感じなければ、そこに迷惑はありません。
一方、常識の範囲内の生活音しか出していないのに、
隣人が迷惑に感じれば、そこに迷惑があることになります。
常識の範囲内の生活音なら、隣人は我慢すべきですし、
万一裁判になっても隣人に勝てるでしょう。
しかし、隣人が感じる迷惑が消えるわけではありません。
この程度の生活音は我慢してほしい、我慢すべきだとは言えますが、
この程度の生活音は迷惑にならないと言うことはできません。
迷惑と感じるか否かは、迷惑を受ける側の感覚によるからです。
そもそも、誰にも迷惑をかけずに生きることは不可能です。
「人に迷惑をかけなければ、何をしてもいい」と言う人が、
本気でそう言っているのだとすれば、
その人は何もできないことになります。
となれば、生き続けられないことになります。
しかも、死ぬこともできません。
その人の死を迷惑に感じる人が少なくとも一人はいるでしょうから。
ちなみに、最近こんなニュースがありました。

