篠田節子さん讃

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篠田節子さんの長篇小説が好きです。

最初に読んだのは『カノン』でした。

四半世紀近く前の話です。


当時小学校の音楽教育関係の仕事をしていたのですが、

音楽教育の雑誌に紹介されていて気になって読んだのでした。


音楽教育に関してある疑問をもったまま仕事を続けていたのですが、

『カノン』には私のその疑問に関わる記述があり、

奇妙な感じに襲われたものです。


今思えば、その雑誌での取り上げ方のあっけらかんとした感じには少々いらつきを覚えます。

篠田さんは、当時の音楽教育の一部を否定しているようなものなのですよ、

そんなに暢気に肯定的に取り上げていいのですか? 

そう言いたくなります。

まあ、教育雑誌らしいといえば、らしいのですが。


その後私は職がえをして、音楽教育との関わりがなくなり、

その疑問はもはや私にとっては不要になりましたが、

『カノン』のおかげで、篠田さんの本を読むようになりました。


といっても、日本の現代の小説は自分の中での優先順位が低かったので、

思い出したようにときたま読む程度でした。


ところが、少し前に『仮想儀礼』を読んでを衝撃を受け、

これはもう篠田さんの長篇小説は全部読まないと、という気持になり、

未読だった『弥勒』『インドクリスタル』『斎藤家の核弾頭』

『ブルー・ハネムーン』『百年の恋』『夏の災厄』などを次々に読みました。

当時最新作の『失われた岬』を読み、その後の『セカンドチャンス』も読みました。


一体全体この人はどういう人なのでしょう。

写真を見ると、ごくごく常識的で、賢そうな、

しかも端正な容姿の女性に見えるのですが、

書いているものときたら、知性がはじけ飛んでいて、

しかも怖いものなし、おまけに誠実さにあふれている。


なんだかとにかく、びっくりです。






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by chronoir2023 | 2023-05-18 19:22 | 読書 | Comments(0)

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